弁護士 大野美樹です。

 

2016年6月23日、横浜地方裁判所でマイナンバー違憲訴訟神奈川の第1回期日が開かれました。

マイナンバー違憲訴訟は、全国9地裁に提起されていますが、神奈川はなんと201名の原告がいます。

 

今年1月に運用が開始されて以降、職場等からマイナンバーの提出を求められていることと思います。

求められるままに提出する人もいれば、漠然とした不安をもちつつ提出している人もいるのではないでしょうか。

ちなみに、現在は、職場等からマイナンバーを求められても提出する義務はありません。

 

現代の高度情報化社会においては、情報セキュリティに関しては情報流出事故を前提とした対策をとらなければなりません。

これは、国も述べていることです。

情報流出事故を前提とするならば、名寄せがされにくい「分野別番号制」を基本におくべきことは当然であり、

世界の趨勢は共通番号制から分野別番号制へとなっています。

共通番号制の国である米国や韓国でも、その弊害ゆえ、分野別番号制の方向に転換しようとしているところですが、

一旦出来上がった制度を手直しすることは困難で、苦悶しているのが現状です。

このような中、日本は、共通番号制をとりました。

 

共通番号制であるマイナンバー制度は、大きな危険性を持つ制度といえます。

具体的には、

①情報漏洩の危険性、②名寄せ・突合(データマッチング)の危険性、③成りすましの危険性、です。

上記のような危険があるにもかかわらず、マイナンバーは広い分野での利用が急速に実現に移されようとしています。

 

マイナンバーは、まずは、税、社会保障、災害対策分野の共通番号として利用されますが、平成27年9月3日に改正法が成立し、

①預金口座へのマイナンバーの付番、②医療等の分野(特定健診、予防接種等)における利用範囲の拡充、③地方公共団体の要望を踏まえた利用範囲の拡充が決まりました。

 

上記のようなマイナンバー制度は、プライバシー権を侵害するものであることから、私達は裁判を行っています。

詳細は、以下のブログをご覧ください。

http://nomynumber-kanagawa.blogspot.jp/

 

神奈川では、第二次提訴の募集を行っています。

希望される方は2016年8月末日までに当事務所宛てご連絡ください。

 

 

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弁護士 黒澤知弘です。

 

皆さまは福島第一原発事故のことを、すっかり過去のこととお考えでしょうか。

 

この事故により拡散された放射性物質は、各地を深刻に汚染し、

私達の生活の中に、現在も続いている問題ということを忘れてはならないと思います。

 

 

今回は、福島から神奈川へ子ども達を招く「こらっせ」の活動のご紹介です。 

楢葉町の子ども達を迎え続けて、5年目の活動です。

福島の子ども達にリフレッシュしてもらうとともに、神奈川に避難している子ども達も招待するそうです。

 

是非、この国の未来を担う子ども達のため、ご賛同、ご支援を宜しくお願いします。

 

 

神奈川リフレッシュプラグラム 表神奈川リフレッシュプログラム 裏

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

神奈川リフレッシュプログラム

 

 

 

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弁護士 小賀坂徹です。

 

バングラデシュの首都ダッカの飲食店を武装グループが今月1日夜(日本時間2日未明)に襲撃したテロ事件で、

人質20人が死亡し、その中に国際協力機構(JICA)のプロジェクトに従事していた日本人の男性5人、女性2人が含まれていた。

 

何ともやりきれない気持ちになる。許せないと思う。

いかなる立場でも、いかなる政治的主張があったとしても、

暴力や人の殺傷という手段で目的を遂げようとすることは断固拒否する。

世界中にはびこっている憎しみと暴力の連鎖を何とか断ち切れないのかと心から思う。

 

それにも増して、今回、銃弾に倒れる前、

日本人男性が「アイム・ジャパニーズ、ドント・シュート」(私は日本人だ。撃つな)

と言ったと報道されたことが胸に突き刺さる。

 

「アイム・ジャパニーズ」という言葉に込められた想いは、

「自分はあなた方に敵対するものではない」ということだったに違いない。

実際、彼らはバングラディシュのインフラ整備等のために献身的に働いていたのだろう。

しかし、それ以上に日本がこれまでイスラムの人々に1度として武力攻撃したことがないこと、

つまり9条を持つ国であることを伝えたかったのではないだろうか。

 

アフガニスタンで潅漑事業や農業指導に従事しているペシャワール会の中村哲医師は、

かつてのインタビューで次のように述べていた。

 

 「僕は憲法9条なんて、特に意識したことはなかった。

でもね、向こうに行って9条がバックボーンとして僕らの活動を支えていてくれる。

これが我々を守ってきてくれたんだな、という実感がありますよ。身体で感じた想いですよ。

武器など絶対に使用しないで平和を具現化する。

それが具体的な形として存在しているのが日本という国の平和憲法、9条ですよ。

それを現地の人たちも分かってくれているんです。

だから政府側も反政府側も、タリバンだって我々には手を出さない。むしろ守ってくれているんです。

9条があるから海外ではこれまで絶対に銃を撃たなかった日本。

それが本当の日本の強みなんですよ。」(2008年4月30日)

 

これほど説得力のある言葉はないと思う。

 

しかし、このインタビューの直後の2008年9月にペシャワール会の伊藤和也さん(当時31歳)が拉致され殺害された。

 

中村医師は先ほどのインタビューで次のようにも述べている。

 

 「でもね、そういう日本人への見方というのも、最近はずいぶん変わってきたんです。

一番のきっかけは湾岸戦争。そして、もっとも身近なのは、もちろんアフガン空爆です。

アメリカが要請してもいない段階で、日本は真っ先に空爆を支持し、その行動にすすんで貢献しようとした。

その態度をみてガッカリしたというアフガン人は本当に多かったんじゃないでしょうかね。」

 

海外で心底その国のために献身的に働く日本人がテロの凶弾に倒れるその理由は、

むしろ国内政治のあり方にあるのではないだろうか。

 

特に21世紀に入ってから、この国は憲法9条を悉く蹂躙してきた。

テロ特措法を成立させ、アフガンへ爆撃機に自衛隊の艦船が給油を行う、

イラク特措法を成立させ重武装の自衛隊がイラク国内で活動する、

そして極めつけは昨年の安保法(戦争法)の強行採決である。

 

こうした政治の流れが、これまで9条によって護られていた海外で活動する日本人の命を危機にさらしている。

 

JICAの理事長は、安保法制懇の座長として、集団的自衛権行使容認の閣議決定を支えてきた北岡伸一氏であることは極めて象徴的であるように思える。

 

「9条は命を護る」

 

このことを今回の出来事は改めて深く示したのではないだろうか。

だから9条ブランドを捨てるのでなく、今こそ9条ブランドを再構築すべき時なのだ。

 

今度の参議院選挙は、そのことが問われている。

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