弁護士岩井知大です。
米軍基地勤務の女性が雇止めについての無効を争う事件についての判決が昨日出され、
雇止め無効を勝ち取ることが出来ました。
当該従業員は、米軍基地で定年になるまで20年以上勤務してきた方なのですが、
定年後再雇用制度に基づく再雇用の2年目を迎えるにあたり、
国・米軍は、突如として英語能力の不足を理由として雇止めを行いました。
訴訟では、かつての上司の証言など当該従業員の英語能力の不足について
後付けの証拠が次から次にだされましたが、
20年以上勤務してきて一度も英語能力についての改善を求められたこともなければ、
指導を受けたこともなかったことを基礎づけられたため、裁判所は国の主張を認めませんでした。
裁判所が当たり前の判断をしてくれて安堵しました。
なお本件は定年後の再雇用ですが、
高年齢者等の雇用の安定等に関する法律(高年齢者雇用安定法)の適用がない事案で、
このような事案でも有期雇用に関する雇止めに関する制限法理を定めた労働契約法19条により
雇止め無効が認められた一例となります。
本件は2度の雇止めをされているのですが、
2度目の雇止めについては無効が認められませんでしたので、控訴を検討中です。
完全勝訴を目指したいと思います。
(神奈川新聞 平成30年10月19日)