弁護士松浦ひとみです。
皆様、横浜市の市立小学校、中学校に、
2011年3月の東京電力福島第一原発事故によって放射性物質に汚染された「指定廃棄物」が、
5年以上も、置かれたままになっていることを、ご存じですか?
「指定廃棄物」は、1キロあたりの放射性セシウム濃度8千ベクレル超で汚染濃度が高く、
処理の責任は政府にあります。
ところが、処理法や場所が決まらず、横浜市の小学校、中学校に、
5年以上も暫定保管されているのです。
指定廃棄物を公立校に置いているケースは全国になく、
専門家も、「環境省の怠慢、1日も早く教育現場から撤去すべきだ」と指摘しています。
このニュースは、過去にも取り上げられていましたが、6月21日に、ヤフーニュース(神奈川新聞)で大々的に報道されました。
放射性廃棄物を学校に“放置” 横浜市、5年以上も
(クリックすると別ウインドウにてYahoo!ニュースのページが開きます。)
横浜市は、この問題を、きちんと、保護者や近隣住民に公表、説明しないまま、
ひっそりと、5年間、保管し続けてきました。
子ども達は、このような危険物が学校内にあること知らされないまま、
放射性廃棄物が保管されている場所のすぐそばで、学校生活を送っています。
また、横浜市内には、8千ベクレルを超えないものの、放射能に高濃度に汚染された廃棄物が保管されている小中学校、保育園が数多く存在します。
このような放射性汚染物が、特に放射能の感受性が強い子ども達の生活空間にあってよい訳がありません。
様々な方達の働きかけにより、横浜市は、ようやく、学校外での保管について検討を始めていますが、
移動先の選定も困難であり、これからが正念場です。
そこで、皆様にお願いです!
7月12日までに、皆様の署名を集め、市長にプレッシャーをかけたいと思いますので、
皆様、是非、ご協力をお願いいたします!!
横浜の学校・保育園の放射能汚染物の施設外管理を要望します!
こちらのご署名もお願いいたします。
(クリックすると別ウインドウにて署名ページが開きます。)
弁護士 小賀坂徹です。
被爆者援護法によって、広島・長崎の原爆被爆者が放射線の影響によって病気になった場合、
原爆症と認定され医療特別手当が支給されることが決まっています。
しかし、従来「原爆症」の認定基準は非常に厳しく、
被爆者が自分の病気は放射線の影響だと申請しても、ほとんどが却下されてきました。
この制度の改善を求めて、2003年から2004年にかけて全国の被爆者が集団提訴を行いました。
神奈川でも13人の原告が提訴し、私が弁護団事務局長を務めました。
集団訴訟のほとんどは被爆者が勝訴したものの、国は悉く控訴、上告を続けたため、
なかなか解決できないまま時間だけが過ぎました。
もともと原告の被爆者は高齢であり、しかも重篤な病気を抱えているため、
国が解決に背を向けている間に、多くの原告が亡くなりました。
裁判に勝っても、解決をみないまま亡くなっていった被爆者の無念を思うと胸が締めつけられました。
その後、漸く2008年3月に新基準(新しい審査の方針)が作られ、2013年12月にそれが確定しました。
新基準は前のものと比べると前進したものの、
爆心地からの距離や爆心地に入った時間、認定を受ける病気の範囲について不合理な線引きが残ったままで、
長年闘ってきた被爆者の希望を打ち砕くものでした。
こんな基準では、またまた被爆者は裁判を続けなければならない、国を訴え続けなければならないと思いましたが、
案の定、再び各地で原爆症の認定を求める裁判が起こっています(ノーモア被爆者訴訟)。
そのひとつの東京地裁の裁判について、谷口豊裁判長は2016年6月29日、
被爆した6人全員を原爆症と認める判決を言い渡しました。
この判決については、私の同期の弁護士のブログに詳しく書かれているので紹介します。
ノーモア・ヒバクシャ訴訟で画期的な判決、新認定基準から外れていても原爆症を認める。国は控訴するな!
(クリックすると別ウィンドウで開きます)
しかし、国は再び控訴する構えを崩していません。
国に控訴するなという声を集中しましょう。
高齢で病気を抱えた被爆者が国を相手の裁判を続けていくことは本当に困難が伴います。
被爆者がせめて生きているうちに何とか救済の手をさしのべて欲しい。
それが自らの身体を張って、私たちのために核兵器の被害を訴え続けてきた被爆者の皆さんに報いる道だと思います。